思考が漏れてます

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イタリア兵が弱かったのは工業力の問題

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イタリア兵は確かに弱かった。だが、ちまたで馬鹿にするほどレベルのヘタレではない。

一番の問題は工業力が乏しかったこと。これに尽きる。工業力が伴っていない状態でドイツとともに激戦をくぐり抜けてきたことは高評価に値する。裏を返せば、工業力が整っていない状態でドイツの圧力に負けて戦争に引きずられてしまった戦略ミスが致命的だった。

次に第二次大戦の前に起こったエチオピア戦争やスペイン内乱でハッスルしちゃったり、不況などの要因も相まって国民全体的にかなり疲弊していた。そんな中に強烈なカリスマで頭がよいムッソリーニが台頭し、国家の気運が高まったあたりで第二次世界大戦に参戦となってしまった。つまり、みんなが疲れが残しつつ、戦争準備もできていない状態だった。ただ、軍隊の組織系統は戦争を重ねてきた分しっかり考えられていたが、それ以外の部分がてんでダメだった。

イタリアといえば現代のフェラーリやランボルギーニなどなど車を見ればわかるが、有名であり性能も尖っているため、それらを開発する人たちはかなり優秀である。そういった国レベルとしての技術力自体は決してその当時でも劣るものではなかった。ただ、技術者たちの思想がモダンではなかった。

こだわりと妥協が激しかった。こだわりが、トレンドとマッチしていれば問題はなかったのだが、独自路線でガラパゴスItalyであった。しかも、戦争が始まり追い立てられるように兵器開発をしなければいけなかったのでガラッと妥協に走る。そんな状態だった。ムッソリーニは専門外の分野では謙虚だった。なので、軍事兵器を開発する人達の声を尊重した。尊重したので、技術者は好き勝手やる。それに軍部自身も保守的な古い装備でよいという姿勢だったので、技術者はガラパゴスから脱却できなかった。

作り手も追い付いていなかった。生産者の問題である。こだわりと妥協のよくわからない複雑な設計から兵器を作っても効率も悪く生産が追いつかない上、品質はボロボロでよくない。

まさに工業力不足。

イタリアは、大きく分けて陸軍、海軍、空軍とあった。だいたい陸軍がヘタれたイメージが強いので、海軍、空軍はさらっとダメだった点を上げ、陸軍を掘り下げる形をとる。

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空軍は、パイロットは優秀なのだが複葉機使いとして優秀なパイロットが多かった。時代はスピードが出る単葉機だった。出遅れていた。現代と違って、エンジン設計もダメだった。ドイツ製のエンジンを乗せると急に強くなった機体もあるほど。

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海軍は元々は沿岸警備意識しかなく、ムッソリーニ台頭で、ローマ帝国の再来だ!地中海の制海権とれればいい!軍拡!軍拡!という体裁を急ぎ、海軍として具体的にどう運用していけばいいのか戦略が整っていなく曖昧なものであった。なので軍艦の設計自体も地中海を動ければそれでよく、遠洋航海向きに設計しなかった。地中海で即応的が大切だったので速度重視を目指した。だが耐久と燃費に難アリだった。数も揃えられておらず、大体が寄港中に爆撃や雷撃を受けて動かなくなった。まともに運用できなかった。

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陸軍は、兵士の装備にムラがある。優れた兵器、ダメ兵器の明暗がくっきり出てしまっていた。 ベレッタという拳銃は現代でも有名な拳銃であり、これは当時でも相当優秀な拳銃であった。 しかし、歩兵の銃の主役は短機関銃、ライフル銃であり短射程で連射性におとる拳銃は戦局好転させるものではない。

短機関銃はどうだったのか?そこそこ優秀であったようだ。短機関銃は射程は短いものの連射性に優れるため近接戦闘に威力を発揮する。陣地制圧など突撃時には役立つはず。

しかし、ライフル銃が致命的だった。中距離や狙撃など幅広い局面で活躍されることが期待されるものであるがダメだった。エチオピア戦争で、距離が伸びるほど弾速が急激に弱まりエチオピア兵に当っても倒れることなくそのまま突撃されることもあったようだ。 その反省から改善しようと試みたところまでよかったのだが、銃弾のサイズを変えようと設計を変更した。 だが銃弾のサイズを変更することは国に行き届いている弾丸を刷新するわけでそれを行えるほどの工業力がなかった。 よって銃弾のサイズはそのままで手前味噌の改善で済ませてしまった。 第二次世界大戦時、そのサイズの銃弾では威力不足で通用しづらいものだった。 これにより、優れた短機関銃を持っていても射程が必要なライフル銃が弱ければ陣地すら近づきがたいジレンマが生まれる。

もう一つ。突撃支援や陣地防衛に重機関銃が必要になる。この重機関銃は恐らく、その当時世界最低の出来具合のものを量産してしまった。砂塵に弱く直ぐに動かなくなった。これでは突撃も防御もままならない。

これにより、兵士たちの命を守る武器の性能にバラつきあれば、万歳突撃するような文化でも無い限りは普通退却なり敵中への目標地点は困難をきたすだろう。

ついでに機甲兵器はどうだったのか?機甲兵器は戦車や装甲車などの武装自動車である。

だめだった。ヘタをすれば日本の当時の戦車以下かもしれなかった。ただし、タイヤがついた装甲車など偵察車両は優秀だった。しかし装甲車の武装と装甲では戦車に太刀打ち出来ない。イタリアの戦車は設計思想が古く貧弱な装甲と武装だったので敵対したイギリスやアメリカの戦車には太刀打ちできなかった。

しかし大砲系の兵器は、かの88mm砲を誇るドイツ軍も認めるものばかりだった。 野砲(対人兵器)、対戦車砲、対空砲、対空機関銃全て高性能だった。結果としてイタリアが休戦状態に陥った時ドイツ軍が、イタリアの工場から優先して捕獲していたとある。

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総合的に見て、兵器性能の良さにバラつきがある陸上兵器ばかりである。こんなバラつきがある状態で幅広い戦術が取れるわけもなく、イタリア兵=弱い=マカロニなどと汚名を被せられることとなったのではないか。決して兵士そのものは弱いものではなく、工業力がだめだった。ただそれだけである。

もっとたぐれば国家戦略が最初から詰んでいた。それを言うと日本も同様だが戦争は避けられるものではなかったので仕方がない。

現代のイタリアはその当時の貧弱な武装ではなく現代では相応の工業力も身につくようになり、強い軍隊になっている。戦車も立派だよ。